多様性を追求するリモートワーク環境下での障害者雇用
企業インタビュー
ジギョナリーカンパニー株式会社/代表取締役 市川 航介
ー ジギョナリーカンパニーはどんな会社ですか?
地方の中小企業様を対象とした経営企画のアウトソーシング事業「クラウド経営企画」や、企業後継者のオンライン家庭教師サービス「アトツギパートナー」を運営しています。
ー 障がい者雇用を決めた背景
当社は従業員数では5名だったので、法定雇用の義務といったものはありません。当社は全員がフルリモートであり、埼玉、神奈川、福島、岡山、徳島、とみんなバラバラの土地に暮らし、連携しながら業務を行っています。これからも全国各地での事業展開や採用ということは目指している中で、「多様性」というものは一つキーワードになると考えていました。この多様性とは、拠点というだけでなく、働き方やライフスタイルも含めてです。そういった中で、セルフ・エー様から障害者雇用のご提案をいただきました。特に障害者だから、ということではなく、リモートで勤務できて、適正なスキルがあれば気にしていなかったので、まず応募を受けるところからスタートしました。
ー 採用プロセスで感じていたこと
採用まで、全てzoom面談で完結させることができたのが楽だったのはあります。ただ、やはり入社される方の状況や体調などは100%全てわかっていたわけではないというのが事実です。
ー 採用前の心配事は?
会社としてどのような環境を用意し、どうサポートすればいいのか?は経験もなかったので心配な部分があったのは事実です。ただ、面接段階からご本人も受け答えをしっかりしていただけましたし、大丈夫だろうな、とは感じていました。また、セルフ・エー様も適切なフォローや対応をしていただけたのも安心できました。雇用後も相談に乗っていただけるとのことで、心強く感じています。
ー 一緒に働いてみて
当社社員からも、「とてもスムーズに業務いただいている」と聞いています。しっかりと当社の戦力となっていただいていて、私も障害にはあまり詳しくなかったですが、色々と固定概念とかは切り替えないといけないな、と思っています。勤務経験がある方なら、ちゃんと業務内容のすり合わせや進行を行っていけば問題なくやっていけると実感しています。
ー 会社としてのサポート体制やうまくやるためのコツ
「管理しすぎないこと」がポイントだと思います。他の会社の方とも話したことがありますが、「リモートでどう管理するのか」といったことを聞かれます。当社は、一応勤務時間も決めてはいますが、極論、「その時間きっかりに働かなくてもいい」というルールにしています。9時開始としていても、その日の体調や予定で10時スタートでもいいし、昼間に1時間の昼寝休憩を取っても構いません。子どもの送り迎えで途中抜けする社員もいます。大事なのは、決められた時間でPCの前にただ張り付くのではなく、良いコンディションで快適に業務を進めて結果を出す、ということに集中できることだと思います。
ー 面接の流れは?
面接は2回行いました。当社担当が一回、私が一回。共にzoomで行いましたので、実はまだご本人とは直接会ったことはありません(笑)セルフ・エー様が面接のフォローも行っていただけたので、全くストレスなく進めることができました。
ー 検討している会社へ一言
今は、どの会社も欲しい人材を採用するのに苦労しているかと思います。その中で、例えば希望するスキルや経験を持っていたとして、障害者だから、という理由で雇用のチャンスを逃すのは勿体無いです。フルリモートでも問題ありません。「管理しなければいけない」という前提を取っ払ってみてください。
就職者インタビュー
Y.K さん(写真左)
年代:32代
診断名:うつ病・ADHD
ー 一般就労を希望していた理由を教えてください。
一人暮らしがしたくて一般就労もしくは障害者枠での就労を希望していました。
社会復帰ができれば、『自立』と『将来の不安』を解消できると思ったからです。
ー 今回完全リモートでの求人案件にエントリーしようとした理由
出勤自体に不安はなかったのですが、コロナの影響や自身の障害を鑑みた時に、
出勤数が少なく、できるのであれば何処でも『自分と会社の規定範囲』で
勤務できるフルリモートに魅力を感じてエントリーいたしました。
ー 就労前に不安だったこと
完全フルリモートとはいっても、MTGがあるので外の音や、自分が「どれだけのペースで、どのくらいの業務をこなせるか」が心配でした。
ー 会社がどのように働きやすくサポートしてくれていますか?
明確な納期の提示、業務内容のマニュアルとzoomでの画面共有しながらの教育環境、「必死で頑張らなきゃいけない」という環境がなく、無理をさせずに「今日はできる範囲でここまで」と裁量を一緒に考えてくださるので、非常に働きやすく感じています。
設定された業務の目標をクリアできると、自分のモチベーションアップ、翌日、翌々日のパフォーマンスアップやスキルアップにも繋がっていくので、非常に楽しく業務に従事できています。
ー フルリモートで働いてみての感想
何かあったときに融通の利く場所での業務なので、有事にも安心して従事できるのが非常に有難いです。自分が落ち着いて業務できる環境が整っているので、パフォーマンスの向上を日々感じています。
ー 今後の目標やチャレンジしてみたいこと
今後は同じような障害者の方が、フルリモートでできる業務を一緒に探して「働ける環境」を作っていきたいです。個人的な目標は一人暮らしでのフルリモート勤務と生活です。
ー 一般就労を検討しているけど一歩踏み出せていない人へ
諦めないでください。
自分にはできない・人と話ができない・そもそもPCが苦手……といろいろな不安があるかもしれませんが、業務は合う合わないを一緒に探してくださいますし、人と話が苦手なら、チャットですぐ質問出来るので顔を見たり過度なコミュニケーションも無く安心できるかと思います。PCでの業務や操作は、業務を通して徐々に覚えて目標立て、クリアを繰り返していけば、自分のモチベーションアップにも繋がりますし、業務の効率化や進捗に反映していけます。だから踏み出せない人や、検討している方は是非一度この世界に飛び込んでみてほしいです。
「自分にできることは必ずあります。」
導入企業様のお声
インタビューを行いました。